感脳小説 悶々劇場
読んで…… 感じて……
もうすぐ!もうすぐ!。
間に合って!。
遅かった…。
あれだけいた仲間…。
みんな伸びてる…。
「タク!どこ!?」
膝が震え上がる。
薄暗い…よく見えない。
「奈…々…」
「タク!」
「やられた…」
涙が溢れた。
「こんなことじゃ死なネエよ…」
「タク…うう…」
「痛かったぁ~…すげえよ…」
グイッと抱いてくれた。
タクの肩…少し震えてる。
「俺、小さいな…」
「なに?」
「こんな連中とワルやっていい気になって…」
顔付きが変わってた。
「あのリーゼントが言ってたよ…」
「えっ?」
「『女使って大将気取るな!形はどうあれ、オメェの腕っ節で守っちゃれ』って…まいったよ」
タクと一緒にたまり場を出た。
駅前の交差点…。
人がたくさん歩いてる。
「まだ…行けるかな…」
「なにが?」
「ここのヤツラを振り向かせたい!」
タクが夢を取り戻した!。
またキラキラ輝いた目になった!。
「やるぜー!!」
嬉しくなった!。
「ところでよ…」
「なに?」
「アイツ…どうだった?」
真っ赤になった!。
「どうしたよ!言ってみ!」
タクの腕をしっかり掴んだ。
「たいしたことなかったよ…」
「だろ…!」
そして、信号が変わった!。
二人で走った!。
…ゴメン、タク。
「なんか言ったか?」
「ううん!タク!大好きー!」
Fin
Author:緋色 唯
いらっしゃいませ。
緋色 唯の『感脳の世界』をお楽しみください。