感脳小説 悶々劇場
読んで…… 感じて……
またやってるよ…。
今日は誰だ?。
ここんとこしょっちゅうだなぁ…。
俺の隣の部屋…。
親父の部屋だ…。
また女を引っ張り込んでるよ!。
俺の親父はなぜかモテる。
正直、カッコイイ。
芸能人で言うと…。
『松崎しげる』の逞しい雰囲気と、岩城晃一みたいな渋さがある。
建設会社を経営していて、仕事もできる!。
若い社員はみんな、親父に憧れてる。
俺は誇りに思う。
…が!。
この『女好き』がなければな…。
と、俺は思っていた。
「終わったか…」
多分、女が出て行った。
俺は、親父の女の扱いが嫌いだった…。
俺の母親もその『悪い癖』が原因で、家を出た。
その『悪い癖』って…。
…俺が小学生までさかのぼっていく…。
「あっ!イヤッ」
「ほらっ!しっかり見せてヤレ!」
俺はその時、親父とお袋が、何をしていたか分からなかった。
二人が裸になって、親父が腰を振ってる。
お袋は苦しそうな顔をして、嫌がってる。
でも、お袋は逃げないんだよ…。
不思議だった…。
二人がそんな事をするときは、いつも叩き起こされてた。
正座をして、見せられていた。
「龍一、こうやってお前は産まれたんだぞ!」
「子供に!そんな…ああっ!龍ちゃん…見ないで!」
「うるせぇ!チマチマ遠回りに教えるのは柄じゃねぇんだ!ちっとは協力しろ!」
「イヤッいやよ!ああっ!」
でも…。
そんな事をされてるお袋が、かわいそうとは思わなかった…。
興奮してた。
初めての『勃起』だった。
また、あるときは…。
お袋をテーブルに乗せて、開いて見せてた。
「龍一、よく見ろよ!これが女のアソコだ!オ○ンコって言うんだ…言ってみろ」
「やめて!もう!やめて!」
嫌がるお袋を押さえ付け、無視して話を続けてた。
「言ってみろ」
「オ○ンコ」
「そうだ、ここが大陰唇で小陰唇だ…そんでもってこれが、クリトリスだ…触ってみろ」
「いや!龍ちゃん!触らないで!」
俺の手を掴んで、お袋を触らされた。
「女はよ…ここを触ればイチコロだ!ハハハ!」
そんな事ばっかりで…。
とうとうお袋は、俺を置いて家を出て行ってしまった…。
小さい時のトラウマか、エロ本を見ても興奮しなくなってた。
高校生の俺、他の仲間はみんな女を知ってる。
しかし、未だに童貞だ…。
SEXに関して、非常に冷めていた。
俺の中では、日常過ぎた感覚になっていたからどうでもよかった。
ドンドン!。
「よう、いたのか!」
「ああ…」
「いやぁ!よかった!」
「今度は誰よ」
「駅前のレンタルビデオ屋のねーちゃんだ」
素っ裸で俺の部屋に来て、ビールを飲んでる。
「なかなかだったぜ!あのケツを押さえて、パンパンってよ!」
「わかったよ!うっせーな!」
「おお…こえ~」
「早く服を着ろよな」
「あいよ…」
日焼けした肌、ムキムキとした筋肉…。
これが50近い男の身体かよ!。
俺も少しはこの人の血を引いてるのに…。
えらい差だ…。
「龍一よ…」
「なんだよ…」
「お前…まだ女知らねぇのか?」
「大きなお世話だろ!」
「寂しいねぇ~寂しいねぇ~龍一くんは…」
「うるせーな!」
「ま!頑張って、とーちゃんの女見てシコって下さい…」
「出て行け!」
読んでた雑誌をぶつけた!。
うまくかわしやがった!。
「残念!シコッ太ちゃん!明日は、キャバクラの『朱美ちゃん』だ!ティッシュの用意しときな!」
「このっ!バカ親父!」
「じゃあな…シコッ太くん!おやすみ!」
散々言って、部屋を出て行った。
ムカつく!。
俺はこんなクソ親父と一緒に暮らしている。
俺は絶対親父みたいにはならない!。
ちゃんと普通の恋愛をして、普通の結婚をしてやる。
そう思う毎日だ。
第二章へ続く…。
Author:緋色 唯
いらっしゃいませ。
緋色 唯の『感脳の世界』をお楽しみください。